2026年02月16日
2026年02月16日
さかもと はるか
ペットライター、愛玩動物飼養管理士2級、JKC公認トリマーライセンスC級
中国原産の小型犬で、短い鼻と豊かな被毛が特徴のペキニーズ。
見た目の愛らしさとマイペースでツンデレな性格に惹かれ、お迎えを検討している方もいるのではないでしょうか。
この記事では、そんなペキニーズの歴史からしつけのコツ、生涯にかかる費用までを解説します。
愛犬と長く幸せに暮らすために、お迎え前に知っておくべき大切なポイントを一緒に確認していきましょう。

ペキニーズは「猫のよう」と形容されるほど、飼い主さんと独特な距離感を保つ犬種です。
鼻ぺちゃで愛嬌のある顔立ちとは裏腹に、飼い主さんに媚びない態度が魅力で、根強い人気があります。
ここではペキニーズの性格や外見、ルーツとなる歴史について見ていきましょう。
ペキニーズは犬らしくないと言われるほど、マイペースで自立した性格です。
飼い主さんに過度に依存せず、自分の時間を楽しむ傾向があります。過度なスキンシップを求めないため、大人の落ち着いた家庭に向いているでしょう。
また、ペキニーズはプライドが高く、頑固な一面も持ち合わせています。
信頼した相手には誠実な態度を見せるため、飼育する際には信頼関係を築くことが大切です。
ペキニーズの身体的な特徴は、以下のとおりです。
| 項目 | 特徴・目安 |
|---|---|
| 体重 | 成犬時で5kg前後 |
| 体高 | 20〜30cm程度 |
| 体格 | 重心が高く、首が太いガッチリ体型 |
| 顔立ち | 鼻が短く、黒く大きな瞳を持つ |
小型犬に分類されますが、骨格が太くしっかりしており、見た目以上に筋肉質な体つきをしているため、持ち上げるとずっしりとした重みを感じます。
「ローリング」と呼ばれる体を左右に揺らして歩く独特の歩行方法も、ペキニーズの特徴のひとつです。
ペキニーズの被毛は、ダブルコートと呼ばれる二重構造で、寒さに強いのが特徴です。年に2回の換毛期があり、被毛も豊富なため、抜け毛は比較的多い傾向です。
また、ペキニーズの毛色はバリエーションが豊富で、カラーによって印象がガラリと変わります。
代表的な毛色は以下のとおりです。
| 毛色 | 特徴 |
|---|---|
| フォーン | もっとも定番の黄金色で、口周りが黒い個体が多い |
| ホワイト | 近年人気が高まっている、全身が真っ白なカラー |
| ブラック | 艶のある黒色が美しく、シックな印象 |
| パーティーカラー | 白地に別色が混ざるなど、2色以上が入っている |
成長の過程で毛色が変化することもあり、その変化も楽しめます。
ペキニーズは、かつては中国の王宮で皇帝だけが飼育を許されており、神聖な犬として大切に扱われていました。
ペキニーズが世界に知られたきっかけは、1860年のアヘン戦争です。
イギリス軍が宮廷から数頭のペキニーズを持ち帰り、そのうちの1頭がビクトリア女王に献上されると、貴族の間でたちまち人気を集めます。
イギリスでドッグショーに登場するようになり、世界的な人気犬種として知られるようになりました。
皇帝や女王に大切に扱われてきた歴史から、誇り高く独立心のある気質が育まれたと考えられています。

ここでは、ペキニーズと快適に暮らすために押さえておきたい、しつけやお世話のポイントを解説します。
ペキニーズは自立心が強く、自分が納得しない指示には従わない頑固な一面を持っています。
たとえば、名前を呼んでも無視したり、飼い主さんの指示よりも自分の興味のあることを優先したりするケースが少なくありません。
そのため、ほかの犬種よりもしつけに時間がかかることを覚悟し、根気強くしつけをする必要があります。
ただし、言うことを聞かないからといって、感情的に叱ったり無理強いしたりするのは逆効果です。
しつけのポイントは、「おやつ」や「ご褒美」をうまく活用することです。
たとえば、「お座り」をしないときは、おやつで誘導して座った瞬間に大げさに褒めましょう。「言うことを聞けば良いことがある」と学習させると、スムーズにしつけしやすくなります。
ペキニーズは激しい運動を必要としない犬種です。散歩は1日2回、1回15分前後を目安にする家庭が多いでしょう。
ペキニーズは鼻が短い短頭種のため、体温調節が苦手で熱中症になるリスクが高くなります。
そのため、気温が高い日の散歩は、早朝や深夜などアスファルトの熱が冷めている時間帯に変更し、無理させないことがポイントです。
愛犬の様子を観察し、無理のない範囲で運動を楽しみましょう。
ペキニーズの美しい被毛を保つためには、日々の手入れが欠かせません。とくに換毛期は多くの毛が抜けるため、入念なケアが必要です。
被毛ケアのポイントは以下のとおりです。
日々のケアを習慣化し、ペキニーズの皮膚炎を予防しましょう。
ペキニーズは、パンティング(ハアハアという呼吸)での体温調節が苦手なため、エアコンによる空調管理は不可欠です。
とくに日本の高温多湿な夏は、短頭種のペキニーズにとって過酷です。エアコンは23〜25度前後を目安に設定し、留守番中もエアコンはつけっぱなしにしましょう。
また、留守番中の万が一の停電や故障に備えて、スマートリモコンを導入したり、保冷剤を用意したりする対策も必要です。
愛犬の命を守るために、徹底した環境づくりを心がけてください。
胴長短足の体型を持つペキニーズは、滑りやすい床を歩いたり段差を上り下りしたりすると、腰に大きな負担がかかります。
腰に負担がかかると、椎間板ヘルニアを発症する可能性があり、痛みで歩けなくなるケースも少なくありません。
愛犬の足腰を守るために、以下のような滑り止め・段差対策を取り入れてみてください。
| ポイント | 具体的な対策 |
|---|---|
| 床材を変更する | クッションフロアやコルクマットを敷き、滑りを防止 |
| スロープを設置する | ソファやベッドへの昇り降りを補助し、ジャンプさせない |
| 足裏の毛をカットする | 肉球が覆われると滑る原因になるため、定期的に整える |
ペキニーズの足腰の健康を守りたいという飼い主さんには、ペット共生型マンション「Dear WAN Court(ディアワンコート)」がおすすめです。
ディアワンコートは、居室はもちろん、廊下などの共用部まで「滑りにくい床材」を完備。
自分でマットを敷き詰める手間なく、愛犬が元気に走り回れる安全な環境が手に入ります。
安心して暮らせる理想の住まいを探している方は、ぜひチェックしてみてください。

ここでは、ペキニーズをお迎えする際の一般的な相場や、チェックしたいポイントを見ていきましょう。
ペキニーズの生体価格は、おおよそ20万〜40万円前後が一般的な相場です。ただし、この金額はあくまで目安であり、毛色や血統などによって大きく変動します。
たとえば、ドッグショーで活躍するような血統の個体や、珍しい毛色の子は高額になる傾向があります。
生体価格が安すぎるペキニーズは先天的な病気を抱えている可能性があります。
そのため、価格の安さだけで判断せず、健康的かどうかや飼育環境が適切かどうかなどを確認することが大切です。
ペキニーズをお迎えするには、主に以下の3つの方法があります。
地域やタイミングによってはペットショップで出会えることもありますが、専門ブリーダー経由でのお迎えが多い傾向です。
どの方法を選ぶにしても、焦って決めずに、複数の場所を見学して比較してみることをおすすめします。
お迎えする前には、見た目の可愛さだけでなく、健康状態をチェックしなければなりません。
具体的な確認ポイントを以下の表にまとめました。
| チェック項目 | 確認するべき内容 |
|---|---|
| 呼吸器の状態 | 「ブーブー」という雑音がしないか、鼻の穴が狭すぎないか |
| 関節や骨格 | 歩き方に不自然さはないか、抱っこした時に痛がらないか |
| 飼育環境 | ケージ内は清潔か、スタッフが犬に対して愛情を持って接しているか |
これらのポイントを確認し、少しでも違和感を覚えた場合は、遠慮せずにスタッフへ質問しましょう。
誠実に対応してくれるかどうかも、信頼できるかどうかを見極める判断材料になります。

ペキニーズと長く一緒に過ごすためには、健康管理についての正しい知識を持つことが欠かせません。
身体的な特徴から、かかりやすい病気の傾向を知っておくと、万が一の異変にすぐ気づけます。
まずは平均寿命を把握し、この犬種ならではの気をつけたいポイントを理解しましょう。
ペキニーズの平均寿命は、おおよそ12〜15歳前後といわれており、小型犬としては平均的な寿命といえます。
しかし、ペキニーズは、心臓病や呼吸器系のトラブルによって体調が急変するリスクがあるため、短命と言われることもあります。
適切な食事管理と温度調整を徹底すれば、平均寿命を超えて元気に過ごす子も多くいます。愛犬との時間を一日でも長くするために、日々の観察を怠らないようにしましょう。
ペキニーズは鼻が短い「短頭種」であり、胴長短足という特徴的な体型をしています。そのため、骨格や構造に関連した病気や怪我に注意が必要です。
とくにかかりやすい病気として、以下のものが挙げられます。
| 病名 | 特徴 |
|---|---|
| 短頭種気道症候群 | 呼吸がしづらくなる病気で、いびきやパンティングが増える |
| 椎間板ヘルニア | 腰への負担が原因で発症し、痛みや麻痺を引き起こす |
| 角膜炎・ドライアイ | 突出した目が傷ついたり乾燥したりした状態 |
これらの病気は、初期段階では症状に気づきにくい場合もあります。
日頃からよく愛犬を観察し、「歩き方がおかしい」「目をしょぼしょぼさせている」といったサインを見逃さないようにしましょう。
病気や怪我のリスクを減らすためには、日常生活の中での予防とケアが不可欠です。
飼い主さんが気をつけたい具体的な予防策を以下の表にまとめました。
| 病気・ケガの予防策 | 目的・効果 |
|---|---|
| 体重管理 | 呼吸器への圧迫を減らし、関節への負担を軽減する |
| 被毛ケア | 皮膚炎や目の感染症を防ぐ |
| 住環境の整備 | 滑り止めマットなどで、腰への衝撃や転倒事故を防ぐ |
毎日のブラッシングや顔のシワ拭きは、皮膚や目の異常を早期に発見するきっかけになります。
日頃から愛犬に触れる機会を増やし、小さな変化を感じることが愛犬の健康を守ります。

ペキニーズをお迎えするには、日々の食費や日用品代に加えて、病気の予防や治療にかかるお金も計画的に準備しなければなりません。
とくに鼻が短い犬種特有の温度管理や、腰を守るための環境づくりには予算が必要です。
ここでは、お迎えのときにかかる初期費用と、毎年の飼育にかかる目安の年間金額を解説します。
ペキニーズを家族に迎える際、犬の購入代金以外にもさまざまなお金がかかります。
必要な初期費用の内訳と目安は以下のとおりです。
| 種別 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 生体価格 | 約20万~40万円 | 血統や毛色によって変動する |
| ワクチン・健康診断の費用 | 約1万~2万円 | |
| 畜犬登録料 | 約3,000円 | |
| 生活用品一式 | 3~5万円 | クレート・トイレ・リードなど |
| 環境整備費 | 1万~3万円 | 滑り止め対策など |
| 合計 | 25万3,000~45万3,000円 |
生体価格を除いた初期費用だけでも、5万〜10万円ほどの準備が必要になります。
ペキニーズをお迎えする前に、費用を準備できるか確認し、万全の状態で迎え入れる準備を整えましょう。
ペキニーズとの暮らしが始まると、毎日の食事やケア用品など継続的な出費が発生します。
1年間に継続してかかる費用の目安を以下の表にまとめました。
| 種別 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 食費 | 4万~8万円 | フード・おやつ代 |
| 消耗品費 | 3万~5万円 | ペットシーツ・ケア用品など |
| 医療費 | 5万~10万円 | 狂犬病注射・混合ワクチン・ノミダ二予防薬など |
| 合計 | 12万~23万円 |
基本となる生活費だけでも、年間で15万円から20万円ほどのお金を見込んでおく必要があります。
上記のお金以外にも、通院回数が増えるとさらに多くの医療費がかかるケースも少なくありません。
年間費用は多めに見積もり、万が一の出費に備えて、ペット保険への加入や専用の貯金も検討してみてください。

ペキニーズを家族に迎えるにあたり、不安や疑問を抱える方も少なくありません。
ここでは、ペキニーズの飼育に関するよくある疑問についてQ&A形式で回答します。
犬の飼育初心者の方でも、ペキニーズを飼うことは可能です。
運動量が少なく、無駄吠えも少ないため、比較的飼いやすい犬種といえます。
ただし、しつけに根気が必要なため、一般的な犬種よりもしつけに時間がかかる可能性があります。
時間をかけて信頼関係を築く姿勢があれば、初心者でも良好なパートナーになれるでしょう。
ペキニーズが「気性が荒い」と誤解されるのは、その勇敢な性格が理由です。
自分より体の大きい犬に対しても、一歩も引かずに立ち向かう気質を持っており、売られた喧嘩を買ってしまう姿勢が、攻撃的だと受け取られることがあります。
しかし、本来は家族に対して愛情深く、理由もなく攻撃することはありません。
「嫌なことは嫌」とはっきり主張する自立した犬種であることを理解し、意思を尊重する接し方を心がけてください。
ペキニーズは無駄吠えが少なく、運動量もあまり必要としないため、マンションなどの集合住宅での飼育に適しています。
ただし、警戒心から吠えたり、室内で走り回ったりする可能性もあるため、防音性が高い物件がおすすめです。
ご近所トラブルを未然に防ぐためにも、住まいの環境選びは慎重に検討しましょう。
ペキニーズは自立心が強く、一人遊びもできるため、比較的留守番が得意です。
ただし、留守番をさせる際は、室温管理に注意が必要です。とくに夏場は熱中症になりやすいため、停電などのトラブルに備えてスマート家電を活用しましょう。
留守番ができるからといって、放置しすぎるのはよくありません。一緒にいるときはコミュニケーションをしっかりとり、愛情を伝えることも大切です。