愛犬が足元で寝る理由とは?行動の意味から対処法まで解説

愛犬が足元で寝る理由とは?行動の意味から対処法まで解説
記事監修

さかもと はるか

ペットライター、愛玩動物飼養管理士2級、JKC公認トリマーライセンスC級

トリミングの専門学校を卒業後、盲導犬協会の訓練士として従事。子犬から盲導犬候補生まで多くの犬の訓練に携わる。その後、専門学校や盲導犬協会で学んだ知識を活かして、ペットライターとして活動。現在、犬と猫、デグーとともに暮らす。

「最近愛犬が足元で寝るようになったけど、これってどういう意味?」
「足元で寝るのはやめさせたほうがいい?」

愛犬と一緒に寝ている飼い主さんのなかには、このような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。実は、ワンちゃんが飼い主さんの足元で寝る行動には、信頼や安心感、習性などさまざまな理由が隠れています。

この記事では、愛犬が足元で寝る理由や寝る場所ごとにわかる気持ち、一緒に寝る際のリスクと対策などを解説します。

愛犬が足元で寝る5つの理由

飼い主のひざ上で寝ているトイプードルの写真

愛犬が足元で寝ている理由は、科学的に明確に解明されているわけではありません。しかし、一般的には「飼い主さんのそばにいたい」という気持ちが大きな理由の一つだと考えられています。

ワンちゃんは、寝ているときが一番無防備になります。そのため、信頼した相手でなければ一緒に寝ることを選ばないでしょう。

ここからは、飼い主さんの足元で寝ているときの5つの理由を紹介します。

理由①:飼い主さんのそばにいたい

足元で寝るワンちゃんは、飼い主さんと適度な距離を保った状態でそばにいたいと感じている可能性があります。

足元は、比較的スペースが広く空いています。自分が快適に眠れるスペースを確保しながら、飼い主さんに甘えられるため、足元が気に入っているワンちゃんも多いでしょう。

また、飼い主さんにもっとくっつきたいけれど、起こさないように気を遣って、あえて足元を選ぶ愛犬もいます。

理由②:寂しさを紛らわせたいから

留守番時間が長いまたは十分に構ってもらえていないと感じているワンちゃんは、物理的に飼い主さんに近づいて眠ることで寂しさを和らげようとする傾向があります。

ワンちゃんは本来、群れで行動する動物です。そのため、1人になることが苦手で、飼い主さんと離れると不安や孤独感を感じやすくなります。

寝るときに飼い主さんの足元に寄ってくるのは、「少しでも一緒にいたい」という愛犬の控えめなアピールかもしれません。

理由③:飼い主さんを守りたいという本能から

ワンちゃんには、縄張り意識や群れを守るという本能があります。縄張り意識が強いワンちゃんは、足元にいることで飼い主さんを見張り、守っているといえるでしょう。

守るという本能から足元で寝ている場合は、常に緊張した状態なので、熟睡できていない可能性があります。愛犬が休めていない様子であれば、警戒している原因を特定し、寝室から取り除きましょう。

理由④:群れで寝る習性が残っているから

犬の祖先であるオオカミは、群れで体を寄せ合って眠る習性がありました。その名残として、飼い主さんの足元に身を寄せて寝るワンちゃんもいます。

特に就寝中は無防備になるため、信頼する飼い主さんの近くにいて安全を確保しようとしていると考えられます。足元で寝るのは、飼い主を「群れの仲間」として認識している証拠ともいえるでしょう。

理由⑤:足元が快適で寝心地がよいと感じているから

愛犬が足元で寝る理由として、「その場所が単純に心地よいから」というケースも少なくありません。

足元は身体の熱がこもりにくく、程よい距離感で落ち着ける空間です。飼い主さんの寝相によって睡眠を妨げられにくい場所でもあり、安心して眠れる場所と感じているのかもしれません。

寝る場所でわかる愛犬の気持ち

飼い主の腕枕で寝ているダックスフンドの写真

ワンちゃんによって、飼い主さんと一緒に寝るときのお気に入りの場所は異なります。足元で眠る場合もあれば、腕枕で眠る場合もあるでしょう。

実は、愛犬が寝る場所によって、ある程度気持ちを汲み取ることができるとされています。ただし、ワンちゃんの性格や成長段階によっても寝る場所が異なります。

ここで紹介する愛犬の気持ちは、あくまで一例として参考にしてみてください。

股の間で寝る:甘えたいと感じている

股の間は、飼い主さんのニオイと体温に包まれる場所です。そのため、大好きな飼い主さんに「甘えたい」という気持ちがあらわれていると考えられます。

また、多頭飼いをしている場合は、飼い主さんを独占したいという思いから股の間で寝る愛犬もいます。

飼い主さんの横で寝る:仲間意識を持っている

ワンちゃんの祖先であるオオカミは、仲間に寄り添って眠る習性がありました。なかでも対等な立場にあったオオカミ同士は、横に並んで寝ていたとされています。そのため、横で寝る飼い主さんを信頼できる仲間と思っている可能性が高いでしょう。

また、ワンちゃんは背中やお尻など無防備な部分を隠す習性があります。背中やお尻を飼い主さんにくっつけて寝ているときは、信頼していると考えられます。

枕元で寝る:安心したいと感じている

枕元は顔を近づけた状態で眠れるため、愛犬にとって飼い主さんを間近に感じられるポジションです。飼い主さんの呼吸音を聞き、顔を見ることで安心感を得ているといえます。

ただし、愛犬が枕を使って寝ている場合は、寝心地がよいと感じて枕元にいる可能性もあります。

距離をとって寝る:快適さを求めている

愛犬が距離をとって寝ているときは、飼い主さんと一緒に寝たいけれども、暑さや騒音などを避けたいと感じている場合があります。とくに暑がりのワンちゃんは、飼い主さんとくっつくと暑いと感じて移動するケースも少なくありません。

また、体の大きなワンちゃんは、飼い主さんと離れて寝ることが多い印象です。大型犬は、枕元や足元、股の間が狭いと感じやすいため、快適さを求めて距離をとっていると想像できます。

犬が足元で寝る際の注意点と安全対策

寝具に掃除機をかけている写真

足元で寝る理由や気持ちを知ると、「愛犬に足元で寝てもらいたい」と思う方もいるのではないでしょうか。しかし、一緒に寝る際には、安全のために注意すべき点がいくつかあります。

愛犬と安心して眠るために、以下の4つのポイントに注意しましょう。

踏みつけや圧迫などでのケガを防止する

愛犬が足元で寝ている場合、寝返りや移動時に愛犬を踏んでしまったり、圧迫してしまったりする事故を起こすケースがあります。とくに小型犬は飼い主さんに圧迫されてしまうと、骨折などの大きなケガにつながる恐れがあるため注意が必要です。

踏みつけ・圧迫事故を防ぐには、愛犬が自由に動けるスペースをベッドの上で確保しておくことが大切です。スペースが広くなるほど、圧迫事故のリスクは下がります。また、愛犬が寝る場所には、ペット用のベッドを置いて足元から少し離れた位置で寝る習慣をつけるのもケガの防止に効果的です。

愛犬の落下対策を行う

高さのあるベッドで寝る際には、落下事故を防止しましょう。段差の昇り降りが問題なくできるワンちゃんでも、寝ぼけているときや飼い主さんの足が当たったときは、ベッドから落下する危険があります。

愛犬と一緒に寝る場合は、低いベッドまたは敷布団にすることをおすすめします。高さのあるベッドを使用する場合は、ベッドの下にクッションや衝撃吸収マットなどを敷いておくと、落下によるケガを予防できるでしょう。

寝具を清潔に保つ

愛犬と同じ空間で寝ると、ダニ・抜け毛・菌のリスクが高くなります。雑菌やダニ、抜け毛がついた状態の寝具を使い続けると、愛犬だけでなく、飼い主さんも皮膚病や呼吸器の疾患を引き起こす恐れがあります。

シーツや布団カバーなどは、週に1回を目安に洗濯しましょう。また、寝具に付着した抜け毛は粘着クリーナーや掃除機で除去すると、ダニや雑菌の繁殖をある程度防げます。

分離不安症を防ぐ

一緒に寝る行為は、絆が強くなる一方で、依存も強くなる傾向があります。

依存が強くなりすぎると、飼い主さんがそばにいないときにご飯を食べなかったり、吠え続けたり、嘔吐・下痢を繰り返したりする場合があります。これは、分離不安症のサインかもしれません。

分離不安症とは、飼い主さんがそばにいない状況に対して過剰に不安やストレスを感じて、体調を崩す状態です。

分離不安症を予防するには、愛犬が1人で過ごす時間を作ることが大切です。例えば、週に1~2回は別の部屋で寝かせたり、日中にクレートトレーニングを行ったりするのもよいでしょう。

別々で寝るときは、飼い主さんのニオイがする物を入れたり、空調を整えたりして、愛犬が安心して眠れる空間を作るのがポイントです。

愛犬が足元で寝るときによくある疑問と回答

飼い主の足の上を顔を乗せている犬の写真

愛犬が足元で寝るようになったとき、「これって大丈夫?」「やめさせたほうがいい?」といった疑問を抱いた飼い主さんは多いのではないでしょうか。

ここからは、愛犬が足元で寝るときによくある5つの疑問に回答していきます。

Q1. 愛犬が足元で寝るのをやめさせたいときはどうすればいいですか?

A.愛犬用の寝床を用意して、一貫して足元で寝させないようにしましょう。

寝床は、愛犬の大きさや好みに合わせて選ぶことをおすすめします。寝床でおやつをあげたり、よく褒めたりと、よい経験を積み重ねると、寝床にポジティブなイメージを持つようになります。

また、家族全員で一貫して足元で寝させないようにすることが重要です。家族の1人が許可したり、日によって許可したりすると、ワンちゃんが混乱します。足元で寝るのをやめさせるのにも時間がかかるため、一貫したしつけを意識しましょう。

Q2. 愛犬に足元で寝てもらうための方法はありますか?

A.足元を愛犬にとって快適に眠れる場所にする必要があります。

たとえば、足元に愛犬が普段使っているブランケットなどを置くと、自分のニオイに安心して、落ち着くと考えられます。

また、愛犬が足元にいるときに、おやつをあげたり、褒めたりするとよいでしょう。よい経験をすると足元に寄ってくる頻度が高くなり、寝るようになることも期待できます。

Q3. 老犬や子犬が足元で寝る場合、特別な注意は必要ですか?

A.粗相や落下・圧迫による事故に注意しましょう。

子犬は、1歳になるまでトイレの回数が多く、朝までオシッコを我慢できない場合があります。ベッドに粗相をしてしまうと掃除が大変になるため、トイレトレーニングが終わってから一緒に寝始めるとよいでしょう。

また、老犬と子犬と寝る際には、落下や圧迫による事故にも注意が必要です。老犬は、加齢によって骨密度が低下しているため、骨折しやすいとされています。子犬も骨がまだ未熟なので、ベッドからの落下や飼い主さんの寝返りによる圧迫などで骨折する恐れがあります。

老犬と子犬の安全対策をしたうえで、一緒に寝るようにしましょう。

Q4. 突然、愛犬が足元で寝るようになった理由は?

A.環境の変化や体調面、心理的な理由など、さまざまな理由が考えられます。

たとえば、いつもは枕元で寝ている愛犬が、急に足元にくるようになった場合、暑さや寒さを感じて場所を変えた可能性があります。いつもの場所で寝ているときに、驚いたり恐怖を感じたりするような出来事があれば、飼い主さんのそばにいたいと感じて足元で寝るようになるケースもあるでしょう。

愛犬の様子を観察して、怯えているような様子や暑がっているまたは寒がっている様子があれば、環境を見直してみてください。

Q5. 愛犬は一緒に寝る人をどのように決めていますか?

A.安心感や寝相のよさ、スペースの広さなどを基準にして選んでいる可能性があります。

ワンちゃんは、人間と同様に寝ているときは無防備になるため、信頼できる相手と眠りたいという本能があります。家族の中でも一緒にいると安心できる人を選んでいると考えられます。

また、ワンちゃんによっては寝心地のよさを重視して、一緒に寝る人を決めている場合もあります。寝相がよく、スペースが広く空いている飼い主さんのそばで寝ている愛犬は、「ゆっくり休みたい」「誰にも邪魔されたくない」と思っているのかもしれません。

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