ペット可物件の退去費用はどれくらい?相場や内訳、費用を抑える対策を解説!

ペット可物件の退去費用はどれくらい?相場や内訳、費用を抑える対策を解説!
記事監修

丹羽 理史

宅地建物取引士・愛犬家スタッフ

不動産業界歴18年。 妻・長女・次女・チワワ(男の子)の4人と1匹暮らし。 趣味は散歩・ドッグカフェ巡り・ゴルフ。 東京生まれ東京育ち。幼少期からマンション暮らしでペットとは無縁の生活を送る。大学卒業後は不動産会社に新卒入社。支店長・エリア統括を経て、現在はペット共生型マンションの企画・運営に携わっている。

ペット可物件の場合、退去費用も通常の物件の相場より高くなる可能性があります。

できるだけ部屋の状態をよくして退去していくことが重要です。高額な退去費用にならないよう、どのようにすべきか知っておきましょう。

ペットがつけた傷や汚れがある時、どれくらい請求されるものなのかなど、本記事で解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ペット可物件の退去費用の相場

ペット可物件の退去費用の場合、通常の物件よりも高額になるケースがあります。相場としては家賃の2~3ヶ月分程度が多く、状態によってはもっと高額になる場合もあるので、退去前に各項目をご確認ください。

床などフローリングの修繕

床はペットが歩き回った時に、爪などで傷をつける可能性が高くあります。また畳の場合は、猫が爪とぎをしてしまったりするケースがあるので要注意です。

また、傷だけでなく、汚れやしつこい臭いがついてしまう可能性もあります。

  • フローリング:約10万円~
  • 畳表替え:約2~3万円
  • クッションフロア:約4万円~

これ以上の下地補修がある場合は、さらに上乗せされます。

壁紙の張替

壁は表面的な傷、汚れがついてしまうだけでなく、しつこい臭いがついてしまう可能性が高く、その場合は壁紙(クロス)の張替え費用が発生します。また、ペットが穴をあけてしまったりなど、壁の損傷をひどくしてしまった場合は下地を取り替える必要があるため、その場合はさらに高い費用が必要です。

通常の場合、借主の負担はペットがつけた傷、汚れ、臭い部分だけの負担になります。色や柄を合わせるために、それ以外の部分を交換する場合は貸主の負担になりますので、必ず確認するようにしましょう。

  • 壁紙:約5万円~

ハウスクリーニング

賃貸物件の場合、ハウスクリーニングは借主負担となります。費用は約2万円からとなっていますが、別途消臭作業が発生するため、その分が高額となるケースが多いようです。

ペット可物件の退去時、ハウスクリーニングだけでなく、消臭作業を行います。臭いがあまりない場合や短期間の入居の場合などは、必要ないケースもありますが、ほとんどの場合で必要です。

汚れや臭いの広さ、度合などで変わってきますので、退去時には必ず確認しましょう。

  • 消臭作業:約3万円~10万円以上など幅が広い

高額になる理由として、機材や薬剤が特殊になるためであることがあげられます。特に臭いの原因が床や壁に染み込んでしまった場合は、見た目よりもひどい判断になるかもしれません。

ペットを初めて飼う場合など、どれくらい臭いがつくか知らなかったという人もいます。飼育する前に、そのような点も確認しておくとよいでしょう。

柱の傷の修繕

ペットの習性として、かじったり爪とぎをしてしまう可能性は高くあります。またその部分に排泄してしまうこともあるので、知らない間にしてしまっていた、とならないように注意しましょう。

このような場合は傷の程度によって、修繕費用が変動します。

  • 浅い傷:約2万円~
  • 深い傷、長い傷:約3万円~4万円
  • 尿の付着、取れない汚れなど:約5万円~

ふすまや障子などの張替

ふすまや障子の場合、紙なので傷がつきやすい場合があります。また張り替える場合は1枚ごとで交換しなければいけないので、損傷が一部分だけでも片面すべての費用負担が必要です。

また木枠の部分が折れてしまったり、傷が入ったりするとその部分の修繕が必要になります。

ふすまの場合

  • 張替(片面):約2000円~8000円
  • 木枠交換:約4万円~5万円

障子の場合

  • 張替:約2000円
  • 木枠交換:約4万円~8万円

ペット可物件の退去費用を抑える注意点

ペット可物件だけでなく、賃貸物件の退去時のトラブルを防ぐために、国土交通省によって「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」がまとめられています。

このガイドラインでは、貸主と借主の負担割合がまとめてありますので、退去費用を考える場合のひとつの基準です。

原状回復の基本的な考え方は、次のとおりです。

  • 通常の使用や損耗、経年劣化は「貸主」の負担
  • 故意または過失などによる破損や劣化などは「借主」の負担

どちらが負担するのか判断が難しい場合は、事前に写真を残しておくなどして、しっかり交渉していきましょう。

入居前に確認すること

ここでは、入居する前に必ず確認しておくべきことをお伝えします。入居する前に知らず、確認漏れだった場合、気づいた時には高額な請求になってしまいますので、気を付けましょう。

入居の条件、ペットの条件を確認する

ペット可物件の場合でも、物件によって細かい入居の条件が違ったりします。中には、飼育できるペットの種類や頭数など、限定されている場合がありますので、必ず確認しましょう。

条件に違反していた場合、原状回復に関する費用だけでなく、トラブルになってしまう可能性があります。

入居前の状態を写真で残す

忘れてしまいがちなことですが、入居前からできていた傷の確認や、傷の写真撮影をして確実に残しておくことが大切です。

入居時に、実際に写真に残しておくことで、数年後の退去時でも役立ちます。

退去時に原状回復にかかる費用を確認する

入居時に物件の契約をする場合、一緒に原状回復にかかる費用を確認しておくことをお勧めします。

入居したばかりだからと遠慮せず、事前に確認したい旨を伝えて、しっかり確認しておきましょう。

入居中に注意すること

ここでは入居中に注意すべきことを、お伝えします。

入居中に注意しておくことで、退去時に慌てる必要がなくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。

ペットが傷をつけたりしない工夫をする

柱や壁など、ペットが傷つけてしまいそうな部分を確認しておきましょう。

また、事前に保護シートや滑り止めマットを設置するなど工夫して、傷を予防することが大切です。

こまめな爪切りや、爪とぎを用意してあげるなど丁寧なケアを心がけましょう。

しつけをすることで予防もできますので、ペットの状態を見ながら対応してください。

こまめな掃除をして清潔にする

ペットとの生活は、汚れが発生する場面が多くあります。

その時、汚れをそのままにせず、早めに片付けたり掃除をしましょう。

あとになって、シミがついてしまった、汚れが取れなくなった、と困ることがなくなります。

臭いのトラブルを防ぐ

ペットの臭いは、臭いが染みついてしまうケースがあります。

見た目はきれいでも、臭いがついている場合は、退去時に消臭作業として高額な請求をされてしまう可能性があります。

消臭剤を使用したり、こまめな換気を行って、できるだけ臭いがつかない工夫をしましょう。

退去時にするべきこと

最後に、退去時にするべきことです。

退去時はただ荷物を出し、掃除ができていればいい、というものではありません。

確認すべき点がありますので、チェックしてみてください。

経年劣化が考慮されているか確認する

ペットや借主による損傷は、借主が負担しなければいけません。

ですがその中に経年劣化によるものもあるかもしれませんので、そのようなものの場合は必ず確認する必要性があります。

高額な請求にならないよう、状態についてなど不動産会社や大家さんと確認しましょう。

契約書の内容を再確認する

入居時に契約をしていますが、その中身をしっかりと確認していなかったり、すっかり忘れてしまっていることはありませんか。

契約書の中には、退去時のルールなどが定められていますので、しっかり確認しましょう。

数年住んでいる場合、契約書の更新や変更がないか、確認が必要です。

高額請求されやすいケース

ペット可物件の部屋を退去する場合、高額請求されるケースが以下です。

  • 床や柱で爪とぎをしてしまったケース
  • ドアや柱をペットが噛んでしまったケース
  • 壁に傷を入れたり、穴を開けてしまったケース
  • 部屋全体にペットの臭いが染みついているケース

ペットが床や柱などで爪とぎをしてしまったり、噛んでしまった時は、張替工事や補修工事が必要です。複数になった場合は、高額請求になってしまいます。

また、壁紙の損傷が下地部分まで交換しなければいけない場合も、修繕費用が高くなりやすいようです。

そしてペットの臭いに関して、部屋全体に臭いが染みついている場合も高額請求になってしまいます。

通常のクリーニングで対応できない場合は、部屋全体の修繕や床材の交換など、高額請求になるケースです。

相場よりも高くなってしまった場合の対応

事前に確認していた相場よりも、退去時の費用が高額で請求されてしまった場合、慌てずにまずは見積書の内訳を、確認させてもらいましょう。

項目ごとに相場と照らし合わせていくこと、細かい内容を尋ねて見ることが必要です。

不動産会社や大家さんに相談してみたり、疑問点を明確にして尋ねるなどしてみましょう。それでも解決しない場合は下記の相談窓口を活用してください。

  • 市区町村などの生活相談窓口
  • 独立行政法人 国民生活センター
  • 警察相談専用電話「9110」
  • 法テラス(日本司法支援センター)

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