2025年05月31日
2025年06月03日
さかもと はるか
ペットライター、愛玩動物飼養管理士2級、JKC公認トリマーライセンスC級
一人暮らしでペットを飼いたいと思っても、「忙しい自分に本当に飼えるのか」「どんな動物なら飼いやすいのか」と不安になる人も多いのではないでしょうか。ペットとの暮らしは癒しや心の支えになる一方で、費用や世話の時間がかかり、それを負担に感じる人も少なくありません。
本記事では、一人暮らしでペットを飼う際に押さえておきたい基本知識から、ライフスタイル別におすすめのペット、物件選びのポイントまで詳しく解説します。自身のライフスタイルに合ったペットをお迎えしたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
ペットとの暮らしは、癒しや楽しさを感じられる一方で、責任や手間がかかります。特に一人暮らしの場合は、留守番の時間や世話の負担、住環境の条件など、事前に考えておくべきことが多くあるでしょう。
ここからは、一人暮らしでペットを迎える際に知っておきたいポイントを解説します。これからペットとの暮らしを考えている人は、ぜひ参考にしてください。
まず、結論をお伝えすると、一人暮らしでも条件さえ合えばペットと暮らせます。ただし、ペットにかかる費用や世話などが負担になる可能性があることを認識しておくことが大切です。
ペットによっては、毎日のご飯代や消耗品費などに多くの費用が必要になる可能性があります。また、留守番が苦手なペットの場合、日中家を留守にしがちな生活にストレスを感じることもあるでしょう。
しかし、長時間の留守番ができて、費用がそれほどかからないペットであれば、一人暮らしの人でも無理なく一緒に暮らせます。まずは、自身のライフスタイルを見直し、ペットと暮らせる余裕があるかどうか確認しましょう。
一人暮らしで飼いやすいペットの共通点が下記です。
一人暮らしの場合、仕事の都合で長時間のお留守番が必要になるケースが多いでしょう。日中家を空けていても大人しく留守番できるペットであれば、一人暮らしでも飼いやすいといえます。
また、賃貸で一人暮らしをしている人がペットをお迎えする場合は、近隣住民への配慮が必要です。ニオイがそれほど強くなく、鳴き声や物音が小さいペットは、騒音やニオイなどでご近所とトラブルになりにくいでしょう。
さらに、一人暮らしの場合は、ペットにかけられるお金が限られます。お金の負担をできるだけおさえたい人は、飼育費用が安いペットをお迎えしましょう。
ペットとの暮らしは、日々の癒しになることが大きなメリットです。仕事から疲れて帰ってきた日でも、かわいいペットの顔をみれば幸せな気分になれるという飼い主さんは少なくありません。
また、ペットを飼うと、毎日ご飯をあげたり、ケージの掃除をしたりと日々のルーティンが決まります。休日でもペットの世話をするために早起きをする機会が多くなり、規則正しい生活を送れるようになるでしょう。
ペットとの暮らしは飼い主さんに癒しや喜びを与えてくれますが、一人暮らしの場合は、事前に理解し、覚悟しておくべきデメリットもあります。
ペットと暮らすには、生体代だけでなくご飯代や消耗品費、電気代などさまざまな費用がかかります。世話にも手間がかかるため、時間とお金に余裕がない人は、ペットと暮らすことが難しいでしょう。
また、ペットは日々の世話が必要になるので、長期間家を空けることが難しくなります。近隣トラブルにならないようにニオイや防音対策に気を付けなければならないのも、ペットと暮らすデメリットといえます。
一人暮らしでペットを迎えるときは、「飼いやすいかどうか」だけでなく、自身の生活スタイルに合うかどうかも見極めなければなりません。留守が多い人、騒音が気になる物件に住んでいる人、癒しを求めている人など、それぞれのライフスタイルに合ったペットを選ぶことで、無理なく快適に暮らすことができます。
ここでは、ライフスタイル別におすすめのペットを7つご紹介します。
日中家を空けることが多い人には、猫がおすすめです。
飼いやすさ | 種類によっては初心者でも飼いやすい |
生涯かかる費用 | 約150万~250万円 |
平均寿命 | 約15年 |
大きさ | 約3~5kg |
鳴き声や物音 | 大きい |
ニオイ | ニオイが出やすい |
留守番のしやすさ | 〇 |
世話の手軽さ | △ |
コミュニケーションのしやすさ | ◎ |
猫は自立心が強く、飼い主さんに依存しにくいとされています。日中は寝ている時間が長く、長時間の留守番も得意なペットです。
ただし、猫と暮らすには、ニオイや鳴き声に気をつけましょう。とくにトイレは、放置すると悪臭の原因になるため、こまめに掃除する必要があります。また、鳴き声や物音が比較的大きいので、部屋の防音対策も欠かせません。
費用に余裕があり、ニオイ・防音対策もしっかりできる人は、猫との暮らしに向いているでしょう。
仕事の都合上、生活リズムが不規則な人には、ハリネズミがぴったりです。
飼いやすさ | 比較的飼いやすい |
生涯かかる費用 | 約10万~25万円 |
平均寿命 | 約2~5年 |
大きさ | 約200~800g |
鳴き声や物音 | 比較的小さい(回し車の音がうるさい場合もある) |
ニオイ | 排泄物のニオイが出やすい |
留守番のしやすさ | ◎ |
世話の手軽さ | 〇 |
コミュニケーションのしやすさ | △ |
ハリネズミは、夜行性の動物です。夜9時以降から活発になることが多く、飼い主さんの不規則な生活リズムの影響を受けにくいでしょう。
また、ハリネズミは小型なので、ケージで飼うことができます。体臭もほとんどなく、鳴き声も小さいことから、賃貸物件でも飼いやすいペットです。
ただし、ハリネズミは気温や湿度の変化に弱いため、エアコンを利用して室温を管理する必要があり、光熱費が高額になることがあります。主食は専用フードですが、食虫動物に近い食性があるため、おしっこのニオイがきつくなりやすく、こまめな掃除が必要です。
少し珍しいかわいい見た目のペットを探している人は、ぜひハリネズミを検討してみてください。
鳴き声や物音などペットの騒音に注意したい人には、うさぎがおすすめです。
飼いやすさ | 種類によっては初心者でも飼いやすい |
生涯かかる費用 | 約100万~170万円 |
平均寿命 | 約7~12年 |
大きさ | 約1~3kg |
鳴き声や物音 | ほとんど音がしない |
ニオイ | ほとんどしない |
留守番のしやすさ | 〇 |
世話の手軽さ | △ |
コミュニケーションのしやすさ | 〇 |
うさぎは、基本的に鳴き声を出さず、静かに生活する動物です。大人しい性格が多く、部屋の中で暴れることも少ないため、音が気になる賃貸物件でも一緒に暮らしやすいでしょう。
また、体臭がほとんどないのも特徴です。草食なので排泄物のニオイも気になりにくいといえます。
ただし、うさぎは消化器系がデリケートで、食事が不規則になったり、食べない時間が長く続いたりすると、体調不良を引き起こす可能性があります。そのため、毎日決まった量のご飯をきちんと与えなければなりません。
世話の時間が確保できる一人暮らしの人であれば、うさぎと暮らすことができるでしょう。
部屋のスペースに限りがある人には、ハムスターが適しています。
飼いやすさ | 初心者でも飼いやすい |
生涯かかる費用 | 約3万~5万円 |
平均寿命 | 約2~3年 |
大きさ | 約20~80g |
鳴き声や物音 | ほとんど音がしない(回し車の音が気になる場合もある) |
ニオイ | ほとんどしない |
留守番のしやすさ | ◎ |
世話の手軽さ | 〇 |
コミュニケーションのしやすさ | △ |
ハムスターは手軽に飼いやすく、人気の高い小動物です。夜行性なので日中はほとんど寝て過ごしており、留守の時間が長い人でもお迎えできます。
また、体が小さいので、用意するケージも比較的コンパクトです。鳴き声を出すこともなく、賃貸でも飼いやすいでしょう。
ただし、ハムスターは臆病な性格が多く、人になつきにくいといえます。温度・湿度管理も必要になるため、夏や冬には光熱費が高額になる可能性もあります。
初めてペットを飼う人にも、ハムスターとの暮らしがおすすめです。
世話に時間をかけられないけれど、ペットと暮らしたいという人には、熱帯魚がぴったりです。
飼いやすさ | 種類によっては初心者でも飼いやすい |
生涯かかる費用 | 約1万円~ |
平均寿命 | 約1~10年(種類によって大きく異なる) |
大きさ | 種類によって異なる |
鳴き声や物音 | 無音に近い |
ニオイ | ほとんどしない |
留守番のしやすさ | ◎ |
世話の手軽さ | ◎ |
コミュニケーションのしやすさ | × |
熱帯魚は、基本的にご飯を与えて、水槽の掃除をするだけなので、世話が楽なペットです。複数の熱帯魚を飼うことで、水槽の中が鮮やかになり、インテリアとしても楽しめます。
また、熱帯魚は費用が安い点もポイントです。水槽やろ過装置、水草など最初にまとまった費用がかかりますが、飼い始めてからは基本的にご飯代と電気代だけなので、費用負担があまりないでしょう。
ただし、熱帯魚の種類によっては水質の管理が難しい場合があります。熱帯魚は、飼いやすい種類かどうか調べてから飼い始めることをおすすめします。
ペットに癒しやふれあいを求めている人には、デグーがおすすめです。
飼いやすさ | 比較的飼いやすい |
生涯かかる費用 | 約17万~55万円 |
平均寿命 | 約5~8年 |
大きさ | 約200~300g |
鳴き声や物音 | 鳴き声や回し車の音が気になる場合がある |
ニオイ | ほとんどしない |
留守番のしやすさ | 〇 |
世話の手軽さ | 〇 |
コミュニケーションのしやすさ | ◎ |
デグーは、別名「アンデスの歌うネズミ」と呼ばれる小動物です。野生下では、さまざまな鳴き声で群れの仲間とコミュニケーションをとりながら暮らしています。人間の3歳児程度の知能があるといわれており、名前を覚えたり芸ができたりするので、コミュニケーションを楽しめるペットです。
また、デグーはケージで飼うことができます。毎日ご飯を与えたり、ケージの中を掃除したりと特別な世話は必要ないため、初心者でも飼いやすいでしょう。
ただし、デグーは頻繁に鳴きます。回し車で運動もするため、一緒に暮らしていると鳴き声や回し車の音が気になることもあります。
犬や猫のお迎えは難しいけれど、コミュニケーションのとれるペットと暮らしたいという人は、デグーのお迎えを検討してみてください。
アレルギーが気になる人には、カメやトカゲなどの爬虫類が適しています。
飼いやすさ | 種類によっては初心者でも飼いやすい |
生涯かかる費用 | 約数万~数十万円(種類によって異なる) |
平均寿命 | トカゲ:約10年カメ:約30年以上ヘビ:約10~20年 |
大きさ | 種類によって異なる |
鳴き声や物音 | ほとんどしない |
ニオイ | ほとんどしない |
留守番のしやすさ | ◎ |
世話の手軽さ | 〇(種類による) |
コミュニケーションのしやすさ | △ |
爬虫類は、毛が抜け落ちることがないため、アレルギーを発症しにくいペットです。ケージで管理でき、鳴き声や物音もほとんどしないため、賃貸物件でも飼えます。
とくにレオパードゲッコーのような小型のヤモリや、コーンスネークのような比較的おとなしいヘビなど、初心者向けの小型爬虫類は、ご飯の頻度が少なく、費用もおさえられる傾向があります。
ただし、爬虫類の種類によっては、温度や湿度管理が必要です。活き餌を好んで食べる種類もいるため、ご飯の用意に手間がかかる場合もあります。自分のライフスタイルに合わせて、お迎えする爬虫類を選びましょう。
ペットと暮らす際には、迎え入れて終わりではなく、ペットが快適に過ごせる環境を整えることが大切です。とくに、一人暮らしの場合は、ペットにかかる費用や緊急時の備え、近隣への配慮などさまざまなことへの備えが必要になります。
ここからは、一人暮らしでペットを飼う際の注意点を5つ紹介します。
ペットを飼うには、以下のような費用がかかります。
ペットと暮らす際には、生体代や用品購入費などの初期費用だけでなく、ご飯代や医療費、電気代など定期的にかかる出費についても把握しておきましょう。
とくに、一人暮らしの場合は、ペットにかけられる費用も限られます。ペットをお迎えする前に、費用を用意できるかどうかの確認が大切です。また、予期せぬ病気やケガによる高額な医療費に備えて、ペット保険への加入も検討してみてください。
ペットをお迎えする前に、世話の時間が確保できるか考えておきましょう。
ペットと暮らすと、食事の用意やトイレの世話、清掃、運動や遊びなど、ペットの種類に応じた世話を毎日する必要があります。毎日朝から夜遅くまで仕事をしている人は、世話に時間がかかるペットをお迎えするのは難しい可能性が高いでしょう。
しかし、ペットによっては、世話の手間がそれほどかからない場合もあります。自分の仕事時間や家事の時間などを把握して、どの程度世話の時間を確保できるか考えたうえで、ライフスタイルに合ったペットをお迎えしましょう。
一人暮らしの場合は、仕事の都合で長期間家を空けることもあるかもしれません。毎日ご飯をあげたり、スキンシップをとったりとこまめな世話が必要なペットは、長期間家を空けることは難しいといえます。
また、ペットによっては長期間飼い主さんがいないと、ストレスや体調不良の原因になる可能性もあります。
長期間家を空けるときは、ペットホテル、知人や家族、ペットシッターなど、不在時に世話をしてもらえる人を事前に探しておくことが大切です。
ペットをお迎えすると、急な病気やケガで動物病院を受診するケースがあります。事前に自宅近くのかかりつけ動物病院を見つけておくと、緊急時に慌てずに対処が可能です。とくに小動物や爬虫類は、診察できる動物病院が限られているため、家の近くに診察可能な病院があるかどうか確認しておくと安心です。
また、ペットの体調不良だけでなく、飼い主さん自身も突然の病気やケガで入院することも想定されます。ペットの世話ができなくなることを想定して、家族や知人、ペットシッターなど協力してもらえる人を見つけておくことも不可欠です。
ペットと暮らしているとニオイや音、毛の飛散などによってご近所トラブルになる可能性があります。
ペット特有のニオイは、こまめな掃除や消臭剤の利用などで軽減できます。また、毛の飛散も、こまめに掃除して、ペットに洋服を着せたりケージにカバーをしたりすることで防止できます。
鳴き声が大きいペットを飼う際には、鳴かないようにしつけたり、防音性のある壁材や敷物を利用したりと、ペットに合わせた防音対策が大切です。
一人暮らしでペットを暮らすには、物件選びがとても重要です。
「ペット可」と書かれている物件でも、ペットの種類や大きさなどに制限を設けているケースは多くあります。物件ごとのルールや住環境をしっかり確認することで、ペットと一緒に暮らす際のトラブルを避けることができるでしょう。
ここからは、一人暮らしでペットと快適に暮らすための物件選びのポイントについて解説します。
一人暮らしでペットとの暮らしを快適にしたいと考えている人には、ペット共生型物件がおすすめです。
ペット共生型とは、ペット用の設備や規約が整っている物件です。ペット可の物件とは違い、ペットと暮らすことを前提に設計されているため、快適に暮らせる環境が整っています。
また、ペット共生型物件は、ほかの入居者もペットと暮らしていることが多く、ご近所トラブルになるリスクが少ないといえます。
ペットのための設備が充実した物件を探している人には、Dear WAN Courtシリーズがおすすめです。
Dear WAN Courtは、愛犬向けのペット共生型物件ですが、ネコちゃんやウサギなどと暮らすことも可能です。物件には、滑りにくい床や傷がつきにくい壁などが採用されており、ペットと暮らしている飼い主さん向けの設備が充実しています。リビングには床暖房もついており、温度管理が必要なペットにも便利です。
また、物件によっては、1Kや1LDKの部屋も取り扱っており、一人暮らしも可能です。近隣には動物病院やペットホテルなどが複数あり、緊急時にも対応できる環境が整っています。
設備や周辺環境が整ったペット共生型物件で暮らしたい人は、ぜひDear WAN Courtの物件をチェックしてみてください。
ペットと暮らす物件を決める際には、事前に飼育条件を確認しておくことが大切です。なぜなら、「ペット可」「ペット相談可」となっている物件でも、ペットの種類や頭数、大きさなどが細かく決まっている可能性が高いためです。
契約前に賃貸契約書で以下のポイントをチェックしておきましょう。
自身の条件と合う物件を探すことで、入居後のトラブルを防ぎ、ペットと快適に暮らすことができます。
許可をとらずに、ペットと暮らしていることが大家さんや管理会社にバレた場合、契約違反で強制退去になる恐れがあります。強制退去になると、ペットと暮らす家がなくなってしまうため、最悪の場合、ペットを手放さなければならなくなると認識しておきましょう。
また、ペットが部屋を汚したり傷つけたりしていると、高額な違約金や修繕費用を請求されるケースもあります。
賃貸物件で無許可でペットを飼うことは、大きなリスクが伴う可能性が高いため、必ず契約時にペットを飼うことを伝えておきましょう