多頭飼いできる賃貸物件の探し方ガイド!交渉術から注意点まで解説

多頭飼いできる賃貸物件の探し方ガイド!交渉術から注意点まで解説
記事監修

丹羽 理史

宅地建物取引士・愛犬家スタッフ

不動産業界歴18年。 妻・長女・次女・チワワ(男の子)の4人と1匹暮らし。 趣味は散歩・ドッグカフェ巡り・ゴルフ。 東京生まれ東京育ち。幼少期からマンション暮らしでペットとは無縁の生活を送る。大学卒業後は不動産会社に新卒入社。支店長・エリア統括を経て、現在はペット共生型マンションの企画・運営に携わっている。

近年では、ワンちゃんやネコちゃんと一緒に暮らす人が増え、複数のペットを飼う家庭も珍しくなくなってきました。それに伴い、多頭飼いに対応した賃貸物件へのニーズも高まっています。しかし、いざ物件探しを始めても、複数のペットと暮らせる賃貸を見つけるのは簡単ではありません。

この記事では、多頭飼いOKの賃貸物件の探し方や、オーナー・管理会社への交渉ポイント、多頭飼いで注意すべき点について詳しく解説します。多頭飼い可能な賃貸物件を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。

多頭飼い可能な賃貸とは?基礎知識と制限の確認方法

賃貸借契約書の上にペンと家の模型を置いている写真

多頭飼い可能な物件は、ペット可の中でも複数のワンちゃんやネコちゃんを飼うことが許可されている賃貸を指します。

ここでは、多頭飼いOKな賃貸物件の基本的な知識を押さえつつ、物件を探す際に不可欠な多頭飼いOKかどうかの確認方法について解説します。

「ペット可」でも多頭飼いできない物件もある

まず理解しておきたいのは、「ペット可」と表記されている賃貸でも、多頭飼いが認められているとは限らないという点です。

多くの物件では、「ペット飼育細則」や「管理規約」で飼育条件が細かく定められており、頭数・種類・サイズなどに制限が設けられています。これらのルールに反してワンちゃんやネコちゃんを飼うことはできません。

もし規約違反が発覚した場合、退去を求められたり、多額の原状回復費用を負担したりしなければならないケースもあります。「ペット可だから大丈夫」と自己判断せず、必ずルールを確認してから検討しましょう。

なぜ多頭飼いOKの賃貸は少ないの?

ペット可の物件でも、「ワンちゃんまたはネコちゃん1頭まで」と条件が定められており、多頭飼いができる賃貸物件が少ないのが現状です。

多頭飼いOKの賃貸が少ない主な理由は、以下のとおりです。

  • 近隣トラブルのリスクが高くなる
  • 原状回復に費用や手間がかかる

多頭飼いができる賃貸物件が少ない理由の1つは、騒音やニオイなどによる近隣トラブルのリスクが高いことが挙げられます。ペットを飼うと、鳴き声や体臭などでほかの住居者とトラブルになるケースは少なくありません。

とくに、複数の愛犬や愛猫と暮らす場合、トラブルになるリスクが高くなるため、複数のペットを飼うことを許可しない物件が多くなります。

また、原状回復が大家さんや管理会社の負担になる点も多頭飼いOKの物件が少ない理由です。複数のペットとの暮らしは、床・壁の汚れやニオイなどで物件のダメージが大きくなりやすい傾向です。原状回復のための費用や手間を考えて、多頭飼いを敬遠する場合もあります。

ペットの多頭飼いOKの物件かどうか確認する方法

検討中の物件で多頭飼いが可能かどうかを確認するには、まず規約をよくチェックしましょう。特に注目したいポイントは以下の通りです。

  • 多頭飼い可(相談)の記載
  • ペットの種類
  • ペットの頭数
  • ペットのサイズ
  • 禁止事項

多くの多頭飼いができる物件では、規約の備考欄に「多頭飼い可(相談)」と記載されています。ただし、ワンちゃんだけOK、ネコちゃんだけOKといった条件が設けられているケースもあるため、事前によく確認しておきましょう。

多頭飼いOKな賃貸物件の探し方

横に並んで座っている2匹の猫の写真

多頭飼いできる賃貸は数が限られているため、探すのが難しい場合もあります。しかし、ポイントをおさえて探すことで、効率よく賃貸を見つけることが可能です。

ここからは、複数の愛犬や愛猫と暮らせる賃貸物件を探す方法を、4つのステップ別に解説します。

ステップ1:希望条件を明確にする(ペットの種類・頭数・環境)

物件探しを始める第一歩として、自身の希望条件を明確にしましょう。飼いたいペットの種類や頭数、必要な部屋の広さや設備、予算、希望エリアなどを細かく条件を洗い出すことで、効率的な物件探しが可能です。

ただし、予算や希望エリア、築年数、設備などの条件は、緩めて探すことをおすすめします。駅からのアクセスが悪かったり、築年数が古かったりする物件は、入居者を増やすために「ペット可」や「多頭飼い可(相談)」としている場合があります。

例えば、駅から徒歩15分以上、築20年以上なども視野に入れると、多頭飼いOKな賃貸物件を見つけやすくなるでしょう。

ステップ2:ペットに強い賃貸情報サイトや不動産会社を利用する

近年ではペットとの暮らしに特化した情報サイトや不動産会社が登場しています。ペットに強い会社は、専門的なノウハウを持っている可能性が高く、多頭飼いOKな賃貸物件が見つかりやすくなります

非公開物件の情報入手や、大家さんとの交渉代行など、専門家ならではのサポートも期待できるでしょう。

ステップ3:大家さんや管理会社と交渉する

希望条件に完全に合致する物件が見つからない場合は、多頭飼いの許可を得るために交渉が必要になるケースもあります。多頭飼い不可となっていない物件であれば、交渉次第で複数の愛犬または愛猫と暮らせる可能性があります。

ただし、ただ「多頭飼いがしたい」と訴えるだけでは、許可してもらえる可能性は低いでしょう。交渉する際には、大家さんや管理会社の懸念点を解消できる方法を伝える必要があります

具体的な交渉のテクニックは、次の見出し「大家さん・管理会社に多頭飼いを交渉する方法」で詳しく解説します。

ステップ4:ペット共生型物件も検討する

ペット共生型物件とは、ペットとの暮らしを快適にする設備が整った物件です。ペットを飼うことを念頭において設計されているため、多頭飼いが可能な物件も見つかりやすいといえます。

また、ペット共生型物件に住んでいる人の多くは愛犬や愛猫と暮らしているため、騒音やニオイなどにも理解があり、トラブルになりにくいのが魅力です。

ペット共生型物件を探している人におすすめなのが、ペット共生型マンションのDear Wan Courtです。

Dear WAN Courtでは、大型犬と暮らしている人や多頭飼いの人でも安心・安全に暮らせる設備が充実しています。室内には、滑りにくい床材や傷が付きにくい壁紙を採用しており、愛犬が遊んでもケガをしにくく、部屋が傷つきにくいのがポイントです。

また、共用部には住居者専用のドッグランや足洗い場も完備しています。物件の近くには、ワンちゃん同伴可の公園や動物病院などの施設が充実しており、ワンちゃんとのびのび暮らせる環境が整っています。

ペット共生型物件を検討している方は、ぜひDear WAN Courtをチェックしてみてください。

大家さん・管理会社に多頭飼いを交渉する方法

大家さんや管理会社に多頭飼いを交渉する際には、いくつかのポイントを知っておくことで、成功しやすくなります。

ここからは、交渉のポイントを3つ紹介します。

ペットのしつけ・ニオイ・騒音対策について説明する

大家さんや管理会社が多頭飼いで懸念していることの1つは、ペットのしつけやニオイ、騒音についてです。

交渉する際には、ペットがしっかりしつけられていることや、騒音やニオイに対してどのように対策するかを伝えることが大切です。騒音やニオイ対策については、防音マットの活用や消臭剤の使用、定期的な清掃など、具体的な対策を伝えましょう。

大家さんや管理会社の懸念を払拭できると、複数の愛犬や愛猫が飼える可能性が高まります。

敷金または家賃を上乗せする

敷金や家賃の上乗せを提案するのも交渉を有利に進めるための選択肢の一つです。大家さんや管理会社は、ペットが増えるほど、壁や柱、床などが傷つけられて原状回復に費用と手間がかかることを懸念しています。

敷金や家賃を上乗せすることで、万が一の修繕費などが補償されます。そのため、大家さんや管理会社のリスクを軽減でき、交渉が成功しやすくなるでしょう。

実際に、ペット可の物件では、ペット一頭につき、敷金や家賃を上乗せするケースも多くあります。ペットの頭数に合わせて金額を交渉してみてください。

閑散期に交渉する

賃貸市場には、繁忙期と閑散期があります。一般的に夏期や年末年始は閑散期とされており、大家さんや管理会社が条件交渉に応じやすい時期です。

一方で1月後半から3月は、入居者が増える繁忙期です。入居希望者が多くなるため、多頭飼いの人を入居させる必要はないと判断される可能性が高くなります。

交渉のタイミングは、閑散期を狙うことをおすすめします。

多頭飼いに適した賃貸物件の選び方

物件の間取りを記した用紙の上にえんぴつ4本のせている写真

賃貸物件で複数の愛犬や愛猫と暮らすには、ペット可かつ多頭飼いOKの賃貸物件を探す必要があります。多頭飼いできる物件にはさまざまな種類があり、適した物件を探すことが不可欠です。

ここからは、多頭飼いに適した賃貸物件を選ぶ際にチェックしたいポイントを解説します。

ペットの種類と頭数に合わせた部屋の広さ・間取りを選ぶ

賃貸物件で多頭飼いをする際には、一緒に暮らすペットの種類や頭数によって、必要なスペースや適切な間取りが異なります

たとえば、2頭の小型犬と暮らす場合は、それほど部屋の広さを必要としません。しかし、体の大きい大型犬を2頭飼う場合は、部屋が広く、部屋数の多い間取りが必要になるでしょう。

また、ネコちゃんはなわばり意識が強いため、多頭飼いする場合は居住空間が広い間取りがおすすめです。

愛犬や愛猫がストレスなく過ごせる十分な広さと部屋数を確保できる物件を選びましょう。

多頭飼いに必要な設備・防音性を確認する

候補の物件を内見する際には、ペット用の設備の有無や、防音性能なども確認することが大切です。

以下のポイントを参考に、物件の設備や防音性をチェックしましょう。

<設備>

  • ペット用の足洗い場
  • ペットドア
  • 換気設備
  • 傷がつきにくい壁材
  • 滑りにくい床材
  • ドッグラン
  • キャットウォーク

<防音性能>

  • 壁の厚さ
  • 床材の種類
  • 窓の種類

ペット用の設備が多い物件では、愛犬と愛猫とともに飼い主さんも快適に過ごせます。

また、多頭飼いは、騒音のトラブルが起きやすくなります。近隣への影響を最小限にするためにも物件の防音性能をしっかりと確認することが重要です。

ペットとの暮らしに適した周辺環境をチェックする

物件の内部だけでなく、周辺環境もペットとの生活の質を左右する要素の一つです。特に多頭飼いする場合は、動物病院やペット用品店が近くにあると、快適に生活しやすいでしょう。

ワンちゃんを多頭飼いする際には、賃貸物件周辺の散歩コースも確認しておくことをおすすめします。

車通りが少なく、緑が多い場所であれば、愛犬を安全に散歩させやすいでしょう。ドッグランやワンちゃん同伴可の公園などワンちゃんを運動させられる場所が近くにある物件も、多頭飼いに適しています。

初期費用や退去費用などのコストを確認する

多頭飼いOKの賃貸物件は、一般的な物件よりも初期費用や退去費用などのコストがかかることが予想されます。入居を決める前に、確認しておきたい主な費用は以下のとおりです。

  • 敷金
  • 礼金
  • 仲介手数料
  • ペット関連の特約で発生する費用
  • 退去時の原状回復費用

敷金や礼金などの初期費用は、ペットを飼うことで増額される物件もあります。また、多頭飼いの場合は、別途費用が発生することを特約で定めているケースも少なくありません。

契約書をしっかりと確認し、コストを把握したうえで物件を決めることが重要です。

賃貸物件で多頭飼いする際によくあるトラブルと対処法

フローリングの上で休んでいる3匹の柴犬

賃貸物件で多頭飼いすると、思わぬトラブルが起こる可能性があります。トラブルが起きると、住みづらくなったり、賠償金がかかったりするケースもあり、愛犬や愛猫と安心して暮らせなくなります。

愛犬や愛猫との暮らしを守るためにも、以下の注意点を意識しましょう。

大家さんや管理会社に無許可で多頭飼いしない

大家さんや管理会社に許可をとらず、契約に違反して多頭飼いをすると、さまざまなリスクを負うことになります。契約違反が発覚したときの主なペナルティは、以下のとおりです。

  • 契約解除
  • 強制退去
  • 違約金の発生
  • 物件の原状回復費の請求

許可なしに多頭飼いをすることで、今住んでいる物件から退去せざるをえない事態になりかねません。大家さんや管理会社とのトラブルを避けるためには、事前に許可を得ることが不可欠です。

騒音・ニオイ対策をして近隣トラブルを防ぐ

ペットの頭数が多くなると、鳴き声や足音が大きくなり、排泄物などのニオイも強くなることが予想されます。ペット可の物件であっても、すべての物件でペットと暮らしているわけではないため、騒音やニオイが原因で近隣トラブルになる可能性もあるでしょう。

賃貸物件で多頭飼いする際には、防音マットを設置したり、防音性のカーテンを活用したりすると、鳴き声や足音を軽減できます。

また、消臭剤の活用やこまめな部屋の清掃・換気は、ニオイ対策に効果的です。

近隣トラブルにならないように、騒音やニオイ対策に力を入れることをおすすめします。

床や壁などに傷が付かないようにして原状回復費を抑える

多頭飼いは、床や壁に傷が付くリスクが高くなります。愛犬・愛猫による引っかき傷や噛み跡などで物件にダメージを与えると、退去時に求められる原状回復費が高くなる傾向です。

賃貸の壁や床は、保護シートでカバーすると傷が付くのを防げます。また、複数の愛猫と暮らす場合は、爪とぎを設置し、定期的に爪の手入れをすると引っかき傷が付きにくくなるでしょう。

脱走対策でペットの安全を守る

賃貸でペットと暮らしていると、窓や玄関の開閉時に脱走事故が起こる危険性があります。ペットが脱走し、ほかの入居者に損害を与えた場合、賠償を命じられる可能性が高くなります。

ペットを逃がさないためにも、部屋の中の脱走対策が不可欠です。たとえば窓には、柵を設置すると脱走のリスクを軽減できます。また、リビングと玄関の間に扉がある物件を選ぶことも、脱走対策の一つです。

近隣住民とのトラブルの予防と愛犬・愛猫の安全のためにも、脱走対策を見直しましょう。

避妊・去勢手術を行い頭数を増やさない

多頭飼いするときは、特別な理由がない限り、避妊・去勢手術をおすすめします

避妊・去勢手術をしていないペットを飼うと、意図しない繁殖が行われる可能性があります。繁殖によって頭数が契約条件を超えた場合は、強制退去を迫られることになりかねません。

また、頭数が増えすぎることで、騒音やニオイによるトラブル、飼育費用の問題などで、飼育が困難になるリスクがあります。

物件によっては避妊・去勢手術を義務付けている場合もあります。愛犬や愛猫との暮らしを維持するためにも、避妊・去勢手術を検討してみてください。

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